私たち日本運行システム株式会社は1988年に創業して以来、役員車等の運行管理を担うことで企業のお客様の経営に貢献してまいりました。私自身が第一号の役員運転手としてこの事業をゼロから起ち上げ、いまでは上場企業を中心に60社を超えるお客様とお取引をさせていただいています。けっして大手資本ではない弊社がお客様から信頼をいただいているのも、ひとえに役員運転手のあるべき姿を、愚直に誠実に追求し続けてきた結果だと捉えています。

私たちが掲げる社是は「一車懸命」（登録商標）。かつて中世の武士たちが、将軍様から賜った一か所の領地を命懸けで守ったことに由来する「一所懸命」になぞらえた、弊社独自の造語です。まさに私たちも、お客様からお預かりした一台一台の車両、そしてお乗りいただくお一人おひとりを命懸けで守る心意気でこの事業に臨んでおり、その役を務めるにふさわしい運転手の育成に創業当初より力を注いできました。

新たに採用した人材に対しては、お客様のもとに出向させる前に3ヶ月間の社内研修を実施しています。運転技術やマナー、車両メンテナンス等について徹底した教育を行っています。また年に2回、春と秋の全国交通安全運動に合わせて社員全員参加の「研修会」を実施しており、そこでは安全運転や地理などのテーマごとに社員自ら研修コンテンツを作って講師を務め、現場に即した生きたノウハウを共有し、運転手全体のレベルアップを絶えず図っています。こうした教育研修については、同業の中では群を抜いていると自負しています。

毎年、社員が目指すべきスローガンを掲げているのも、自らの仕事に対する意識を高めるための弊社ならではの取り組みです。いくら自動車技術が進歩しようと、私たちはあくまでVIPの方々をご支援する黒子であり、その姿勢をスローガンで表現しています。これも毎年社内で議論して決定しており、現場の運転手たちの想いやこだわりが込められています。

自らの活動としましては、会社の信頼を高めるため、「一般社団法人 日本自動車運行管理協会」（※1）の常務理事、「一般社団法人 運転地理検定協会」（※2）の理事を務めています。また、運行サービス担当者は、企業のVIPにお仕えする仕事のため、秘書的な機能も担います。そこで、秘書の役割を把握するために、「一般社団法人 日本秘書協会」（※3）の理事も務めています。
そして、平成12年には、運行管理業務で長年培ったこれらのナレッジを活かし、関連会社として「バレーパーキングシステムズ株式会社」（※4）も設立しました。これまでも、これからも、お客様のニーズにお応えし、常に良質なホスピタリティサービスをご提供していきます。

これから自動運転技術などの進展により、自動車を取り巻く環境は大きく変わっていくものと思われます。しかし、たとえ運転という行為が不要になったとしても、新しく出現したモビリティを操り、企業のVIPの方々の移動をサポートする「オペレーター」は必ず求められますし、そこに「一車懸命」の精神も受け継がれていきます。今後も時代の変化に合わせて、私たちが譲れない理念を大切に守りつつ、あるべき運行管理のあり方を追求していく所存です。

• ※1一般社団法人 日本自動車運行管理協会
• ※2一般社団法人 運転地理検定協会
• ※3一般社団法人 日本秘書協会
• ※4バレーパーキングシステムズ株式会社

代表取締役社長村山 陽